一橋大学にて行われた「大学・教育とセクシュアリティマイノリティ(LGBT)~大学でできる支援について考えよう~」に取材に伺いました。

promotion02
http://www.hit-u.ac.jp/

大学・教育とセクシュアリティマイノリティ(LGBT)
~大学でできる支援について考えよう~
日程 2016年11月18日(金)16:30~18:30
会場 一橋大学
http://www.hit-u.ac.jp/kenkyu/hit_seminar/domestic.html

今回のセミナーは、学外からの参加者も多く、大学関係者の方や、他大学の学生さんなどが参加されていました。

一橋大学にはジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)があり、セクシュアルマイノリティについての研究も進められています。
また、「ハラスメント防止等に関する規則」が制定されており、セクシュアルマイノリティに関するハラスメントについても記載されています。

しかし、昨年、一橋大学のロースクールの学生が、アウティングがきっかけで学内の建物から転落死するということが起こりました。
大学側は対応に問題はなかったと話していますが、本当に大学としてできることはなかったのか…。CGraSSでは、この問題についても話し合いを進めているそうです。

そんな中で開催されて今回のセミナーでは、LGBT当事者の活動家である、遠藤まめたさん(やっぱ愛ダホ!idaho-net・代表)、松岡宗嗣さん(明治大学MEIJI ALLY WEEK・代表)を招いての講演、そして参加者とのディスカッションが行われました。

遠藤まめたさん
img_0899

松岡宗嗣さん
img_0898

LGBT学生が大学生活で困ること

LGBT学生が大学生活において困ることは様々ありますが、遠藤さん、松岡さんの講演よりいくつかピックアップして紹介します。

通称名について

通称名使用に関しては大学によって対応が異なります。また、通称名が使えたとしても学生名簿は本名であったり、身体の性の性別が記載されていることで、アウティングにつながる可能性もあります。
EX
体育の授業が男女で分かれている
英語などの授業で教授がMr.、Ms.で呼ぶ

トイレや更衣室の使用

「多目的トイレが、男女のトイレの中にある場合もあり、使いづらい」という意見も。

健康診断

説明することに抵抗があり、受診しないという人も多い。

キャリアセンターでの相談

自分のセクシュアリティが選考に影響するのか、LGBT学生が働きたい企業はどこかなど、相談したいことはあるが、理解されないのではないかと不安で利用しづらい。

差別発言

教授が差別発言をする、サークルなどの飲み会で「ホモネタ」で盛り上がるなど、差別発言を耳にする機会がある。

大学側はどんなことができるか?

今回のセミナーでは、遠藤さん、松岡さんより、学生がどんなことに困っていて、大学側はどんなことができるのかといったお話がありました。

大学側ができることとしては、大きく分けると、制度・設備の整備と理解の促進なのではないでしょうか。

制度・設備の整備

国際基督教大学では、「LGBT学生生活ガイド in ICUトランスジェンダー/GID編」にて制度・設備についても詳しく紹介しています。

・学籍簿の氏名・性別記載の変更
・大学の発行する証書の性別記載
・体育実技の履修、更衣室
・学生定期健康診断の個別受診
・だれでもトイレ(多目的トイレ)の設置…設置場所もガイドに明記されています。
・ジェンダー・セクシュアリティ特別相談窓口
etc

参照:http://web.icu.ac.jp/cgs/docs/20151021_TSGuide_v8.pdf

理解の促進

理解の促進については、「アライを増やす」ということが一例として挙げられます。

松岡宗嗣さんはアライを増やす活動として、「MEIJI ALLY WEEK」を主催しています。
イベント中は、自分らしさを表現するファッションショーの開催、白色の服装をして写真を撮りSNSで「Allyになりたい!」というメッセージと共に発信する「Ally in White」が開催されました。
多くの方が参加され、LGBTについて知る機会、Allyになる機会となったそうです。

「ALLY WEEK」は他大学にも広がっており、全国の大学で開催されています。

まとめ

LGBT学生にとって、まだまだ学生生活は困ることや悩むことも多いのが現状です。しかし、大学として、学生として、それぞれの立場でどんなことができるかを考え活動している人の数は増えているのではないか、と感じています。

今後も一橋大学CGraSSさんでは、セクシュアルマイノリティについて考える会を開催していくとのことです。