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LGBT当事者もしくはアライによる「セクシュアリティ」に関するレポートを紹介するシリーズ。
今回はアメリカ留学中の体験からセクシュアリティをより意識するようになったという方のレポートです。

BUG=卒業するまではバイセクシュアル

「BUG」という言葉をご存知だろうか。
この言葉はBisexual untill graduationの頭文字をとったもので、直訳すれば「卒業するまではバイセクシュアル」である。英語圏、特にアメリカの大学生の一部が使う言葉である。

日本では寮生活をしている大学生は少数だが、アメリカでは大半の大学生が大学内の寮に入る。
寮に入ると新しい出会いもなく、異性との関わりが極端に減る。そういった生活を続けていると、本来はストレート(異性愛者)ではあるが、同性に対して恋愛感情を持ち始めたり、同性で性的欲求を満たそうとする人たちがいる。このように大学卒業の間だけバイセクシュアルとして過ごしている人のことを「BUG」と呼ぶ。

かくいう私もアメリカ留学中、何か月も寮で過ごしていたためか、パーティーでレズビアンの人にキスを求められ応じてしまったことがある。
同性を好きになるという感情はなかったが、地味な寮生活に刺激がほしかったのか、それから何度かそういう事があった。

夏休みに入る前に、一人の女性と出会った。
彼女は優しくユーモアがありすぐに仲良くなった。周りの友人から「お似合いのカップルだね」とよく言われるようになったが、「仲良しだね」程度の意味で言われているのだと思っていた。

しかし、相手の様子が以前と違ってきていた。もしかして私たちはカップルとして付き合っているのだろうか?そう考えるようになった。しかし相手に聞くのも失礼な気がしてしまい、もやもやした思いを持ちながらもそのまま夏休みに入った。
夏休み中に届く彼女からのメールは嬉しかったし、早く会いたくなった。

夏休みが終わったある日、私は彼女の友達何人かの前で、「私のgirlfriend」だと紹介された。
やはり私たちは付き合っていたのか…。

いざ付き合っていると思うとメールの返信が遅いことにやきもきしたり、他の人と二人でいることにも嫉妬したり、彼女のルームメイトをライバル視したり…、とにかく私は面倒な彼女だった。

しかし、帰国の日が近づくにつれ、どんどん気持ちが冷めていった。特に彼女から別れは告げなかったが、寄せ書きには「またあなたと一緒になりたい」と書かれていた。

彼女からは「帰国前に会いたい」というメールが届いたが、返信はしないままに帰国の日を迎えた。

帰国後、私は彼女のFacebookで新しいガールフレンドらしき人ができたことを知ったが、特別何も感じることはなかった。あれ程思っていたのに大学を出たとたんに気持ちが消えてしまったのだ。

これが私が体験した、典型的なBUGの一例である。