LGBT当事者orアライによるレポート。今回はタイで活躍するトランスジェンダーのキックボクサー、ローズさんの紹介です。

現在18歳の彼女はタイの農村部に住む、リングネームRot-Duan(ロット-ドゥアン)のキックボクサーです。
彼女の生物学的な性は男ですが、ローズさんはメイクをしたりピンクのタンクトップスを身に着けたりして試合に臨んでいます。
彼女は7歳で試合を経験してから2~300試合をこなしてきました。

タイ語でトランジェンダーを意味する「カトイ」は、タイ社会で認知されています。
英語では「レディーボーイ」と訳されることが多く、「第三の性」と呼ばれたりもしています。

トランスジェンダーに対する扱いはさまざまであり、受け入れられ、(トランスジェンダーであることを公表しているセレブのように)もてはやされるカトイがいる一方で、社会的、法的に辛辣な差別にさらされているカトイもいます。

地元では友人・家族・ファンに支えられているというローズさんですが一方で、彼女と一緒に戦うことを嫌がる選手もいたり、野次を飛ばしてくる人も少なくないと話しています。
ムエタイの試合では選手間の言葉のやりとりは珍しくないそうです。

そのため、試合中に悪口を言ってきたりして心理的な嫌がらせをしてくる選手もいるそうですが、彼女はそういった選手の言動は無視しています。

また、試合のアナウンサーまでもが彼女を馬鹿にした発言を伝えることさえあるのです。

今までに数多くの試合をこなしてきた彼女は、どんなに嫌な気持ちにさせるような言動があっても、気持ちを切りかえられると言います。
ムエタイの試合では、「上半身裸と短髪」が試合出場条件に含まれていることが多いのです。しかし、一方ではリングコスチュームが自由な試合もあり、彼女はそのような試合を選んで出場しています。

このような自己表現が自由に許可されている場で活躍している彼女は、メディアに取り上げられたりもしています。

今では地元のセレブリティとなったローズさんは高校卒業後、髪を伸ばし堂々と自分の着たい服を着て生活しています。
彼女は引退後、性別適合手術を受けることを考えていて、今は少しずつ理想に近づけていると感じているそうです。

~感想~
タイではトランスジェンダーの人への偏見や差別が少ないと思っていましたが、未だに心無い悪口を浴びせる人たちはたくさんいるということに驚きました。彼女が強くたくましくいられるのは、支えてくれる人たちのおかげだと思います。

また、彼女自身の未来を見据えていて明るく生きているからだと感じました。