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アメリカ合衆国で行われている大統領選挙では、LGBTに関する方針も注目されています。

米民主党は当地で開催中の全国大会で、LGBT(セクシュアルマイノリティ/性的少数者)の権利拡大を前面に押し出しています。
大会で採択された党綱領は、昨年の連邦最高裁判決で同性婚が全米で合法化されたことを称賛。綱領で男女間の伝統的な結婚の枠組みを明確に支持していた2004年と比べ、民主党の価値観がこの10年余りで急激に世俗化・左傾化したことを物語るものだと言われています。

米政治専門誌コングレッショナル・クオータリーによると、党大会に参加する各州の代議員のうちLGBTが占める割合は、2008年が5.8%、12年が7.8%と増加傾向にあり、今回さらにこれを更新するとみられています。実際、党大会ではLGBTを象徴するレインボーのバッジなどを身に着けた代議員の姿が目立っています。LGBTの権利拡大は今や民主党の看板政策の一つと言っても過言ではありません。

また民主党内でLGBT勢力が盛り上がっているのは、大統領候補に正式指名されたヒラリー・クリントン前国務長官がオバマ大統領と同様にLGBT擁護に極めて熱心だからです。国務長官時代、国際的なLGBT擁護を「米外交の優先課題」に位置付けて取り組んだ経緯があります。

数年前に同性愛者であることを公表して注目を集めた元プロバスケットボール選手、ジェイソン・コリンズ氏は、LGBTコーカスでの演説で「クリントン氏はLGBTコミュニティーの同盟者だ。彼女が大統領になれば、オバマ大統領と同じようにホワイトハウスに友人を持つことになる」と強調しました。

民主党がLGBTの権利拡大を前面に押し出すのは、多様で開かれた政党のイメージをアピールできるとともに、共和党への攻撃材料にもなるからだと言われています。米国民の多くが同性婚に反対していた時代は、共和党が民主党を攻撃する立場にありました。しかし、同性婚が合法化され国民の抵抗感も薄れてきた今、攻守が完全に入れ替わってしまっています。

民主党大会で、特に攻撃の標的となっているのが、同性婚合法化で脅かされる信教の自由を守ろうとした共和党の副大統領候補マイク・ペンス・インディアナ州知事です。大会初日に演説した民主党の有力者エリザベス・ウォーレン上院議員は、ペンス氏を「同性愛者への差別を合法化しようとしたことで有名」と批判しています。

アメリカではオバマ大統領が2013年に同性婚を支持する発言をし、2015年に連邦として合法化しました。民主党大統領候補に指名されたヒラリー上院議員もこれを支持する考えです。一方で共和党大統領候補のトランプ氏もLGBTの権利向上に賛成の立場ですが、副大統領候補のペンス・インディアナ州知事は反対の立場を取っており、この対立はLGBT関連の政策を重視する人々の投票行動に影響を与えるでしょう。アメリカは影響力が大きいので、注視していきたいですね。

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。