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「LGBTは社会で許容されるべきではない」93%の人がYESと答えるインドネシア

アメリカのピュー研究所が2013年に発表した「ホモセクシュアリティーに対しての寛容度調査」内の「ホモセクシュアリティーは社会で許容されるべきか」という質問で、90%以上が「NO」と答えたインドネシア。
なぜインドネシアにはこのような考えを持つ人が多いのでしょうか。

インドネシアはイスラム教徒の人口が世界最大の国であり、国民のほとんどがイスラム教です。イスラム教では同性愛が禁止されていることから、ゲイやレズビアンなど同性愛者に対する世間の目は厳しく、LGBTの存在はまだまだ社会に受け入れられていません。

さらに、2016年からLGBTなどのセクシュアルマイノリティ(性的少数者)に対する非難や攻撃がますます加速していることが問題になっています。

インドネシアで最も強固にLGBTに厳しい態度を取るのはスラム組織を統括する「インドネシア・ウラマ評議会(MUI)」です。彼らはその宗教上の理由から、LGBTを許容することはできないとしています。

彼らを含むLGBT反対派が今、起こしているのが、刑法改正のための裁判です。
「成人の同性間の同意に基づく性行為を犯罪化し、最長5年の禁固刑」という内容を刑法に追加することがその目的。この法律が可決されれば、現在法律レベルでは規制されていないLGBTが正式に国家の規制の対象となってしまいます。

インドネシアのLGBTへの差別は様々な形で行われています。
2016年1月には、イスラム防衛戦線と呼ばれる過激派グループが、インドネシアの大都市であるバドゥンの宿泊施設に、同性カップルを「発見」したとして襲撃をかけました。建物を襲った後、同団体は「レズビアンとゲイは我々の地域に入るな」という趣旨の文言を書いた旗を掲げ、LGBTへの明確な差別を示しました。

暴力的ではない差別も無視することはできません。インドネシアの放送監視官からは「検閲令」が出されました。それによって、LGBTの人々を正常なものであるとする番組の放送が禁止されました。
また、インドネシア通信情報省がLINEのアプリ内で販売されていたLGBTに関するスタンプを削除するよう申請。LINEはこれを受けて削除を行いました。

精神科医の医師会がLGBTを「精神疾患であり、矯正すべきもの」と発言したころから、LGBTは正常ではないという考えがさらに拡大。
若い母親向けに「自分の子供がどうしたらゲイにならないか」というセミナーも開催されています。

インドネシア政府は、こういった事態にどのような対応をしているのでしょうか。
現政府は、LGBTに関して「LGBTの人々は人権を持つインドネシア国民である」という見解を持っています。しかし、決してLGBTについて寛容なわけではありません。
ルフット・パンジャイタン政治・法務・治安担当調整相は「LGBTは染色体の病気であり、治療が必要である」といった発言をしており、政府は反LGBT団体の過激な差別行動には一切の沈黙を保っています。

こあせんせーは先日TEDで「子ども達が成し遂げたバリのレジ袋廃止運動」を観て大変感銘を受けました。そんな素敵な人々がいるインドネシア。
LGBTの人たちも暮らしやすい社会になってほしいな、と心から思いました。

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こあせんせー
早稲田大学法学部卒のストレートアライ。
時事ネタ、法律関係が得意。趣味は将棋とモノポリー。