LGBTフレンドリー企業へ就職したいと考えるLGBT当事者は就活生から20代の若手、30代のキャリア層と幅広いです。
そんな中で、実際にLGBTフレンドリー企業への転職をした人の体験談をご紹介します。
今回は、ゲイの転職者の体験談です。
Oさん31歳。ゲイ男性の転職。転職理由は?
私はゲイです。今は31歳です。大学卒業後、会計事務所に就職して簿記の資格の勉強をしながら、経理や税務の仕事を8年間経験してきました。
私の事務所は40人ほどの規模なので、8年間も働くとかなり古株になり、いろいろな仕事を任されるようになり、マネジメントなどもやっています。
仕事自体はできることが増えてきて、体力的には大変なのですが、面白さも感じています。
30歳を過ぎてから、社内の飲み会の場では「彼女いないの?」「結婚は考えないの?」ということを冗談半分ではあるのですが、頻繁に聞かれるようになってきました。最初は適当に受け流していたのですが、嘘をつくことも含めて煩わしくなったので、思い切って自分がゲイであることをカミングアウトしました。
ただ社内の多くの人はLGBTというのもよくわかっておらず、差別をされたわけではないですが、なんとなくよそよそしい態度をとる人が何人もでてきたので、思い切って転職をすることにしました。
求人企業の選ぶ軸は、キャリア活用とLGBTフレンドリー
転職にあたっては自分のキャリアを生かすことを最優先に考えました。それまでの仕事に面白さを感じていたので、もっとそこのキャリアを伸ばしたいと考えていましたし、またこのキャリアを使わない転職というのは現実的に厳しいというのもありました。
求人を選ぶ軸として、もう一つ考えていたのがLGBTフレンドリー企業です。前職がLGBTに関連することが理由で退職にいたったので、求人企業選びの条件としては、仕事内容と並ぶくらいLGBTフレンドリーも大切にしました。
LGBTフレンドリー企業の求人を探すために、PRIDE指標を受賞しているなどLGBT取り組みを進めている大企業に応募もしてみました。人事の採用担当者のお話を聞いているとLGBTへの取り組みについてはしっかり話をしてくれました。
一方で、面接官が現場の人だった時に、LGBTについて聞いてみたところ、現場はそんなに理解があるわけではない、と言われてしまいました。数千人も働いている大手企業なので仕方ないかとは思っています。
自分ではなかなかLGBTフレンドリー企業は探せなかったので、LGBT専門のエージェントに登録をして、求人企業の紹介をしてもらいました。
後編では、LGBTフレンドリー企業の選考及び、LGBTフレンドリー企業での実際の働き方について、Oさんの体験をご紹介します。